GALLERY MERROW

EXHIBITION

増田将大「Between reality and fiction」

増田将大「Between reality and fiction」

2023.9.4 - 9.25

GALLERY MERROWでは9月4日から10月1日まで増田将大「Between reality and fiction」を開催。

増田将大は映画フィルムから着想を得て「時間・空間の連続性」により全ては形成されていることをテーマに制作する。

イメージをカメラとプロジェクターを用い、対象の空間にイメージの投影・撮影を繰り返すことにより「重なり」と「ズレ」、またシルクスクリーンの何色かの版を刷る行為と絵の具の物質的な「重なり」と「掠れ」をキャンバス上に落とし込む。

本展では「時間と空間」「虚実」「リアルとフィクション」を問う実験的な新作Moviesシリーズを展開させる。

Moviesシリーズは、増田のアトリエの壁一面に、ある映画を投影し、その一場面を撮影したイメージをもとにつくられる。アトリエの両壁面にはミラーシートが貼られ、正面に映る映画のワンシーンが左右壁面に映り込み湾曲して広がっていく。自身の制作空間であるアトリエを劇場に見立て、作家にとってこの上ないリアルである制作の場を、フィクションの映像で支配することで日常空間からの脱出を図ろうとしている。「時間と空間」「リアルとフィクション」をテーマとする増田にとってMoviesシリーズは実験的な作品である。

作品画面の中でまず初めに目に映るのは、壁に映された鮮やかな映画のワンシーンである、そしてその周囲の暗がりに現実の空間が広がっている。一見、鮮明に見える映像部分はフラットな壁に映されただけのフィクションであり、見えづらい暗がりこそが奥行きを持ったリアルの空間である。

かつて、アンディ・ウォーホルは自身のアトリエを「ファクトリー」と呼び、床や壁を銀色のシートで覆い、多くの著名人たちを招いて日々パーティを行なった。過酷で地道な制作の日々と、華やかで煌びやかな世界を同じ空間に両立させた。そこで行われる制作と実験的な活動をもとに多くの作品が生み出された。

増田はこのウォーホルのファクトリーを参照し、「KODAI OPEN STUDIO 2022」でミラーシートを張り巡らせたアトリエに来場者が訪れ、来場者に向けられたカメラが、一秒ごとにプロジェクターで映し出される。といったインスタレーションを展開した。このインスタレーションをもとに、自身のアトリエと、増田にとって関心の深いシネマといった要素から生まれたのが”Moviesシリーズ”である。

増田将大

アーティストサイト:https://www.masahiro-masuda.com/