GALLERY MERROWでは6月19日から7月15日まで今井恵「Like talking about the weather」を開催。

今井恵は「物事の捉え方」「視点の選択」をテーマにシルクスクリーンの技法を使って制作する。
手刷りによる偶然的に現れた形・色・斑点や一般認識されるパターンのイメージ『表層』と
鑑賞者各々の感覚『深層』のレイヤー構造が存在を意図させる。

本展では鏡面にストライプが擦られているStripe（mirror）と幾何学のパターンを青とパールで刷ったdiamondsなどgeometryシリーズの新旧作を展開させる。

英国の劇作家であるバーナード・ショウはかつて「Is Glass Half Empty or Half Full？」と言った。

その言葉は、グラスの中にワインが半分入っている状態を見させて、「まだ半分ある」と思うか、「もう半分しかない」と思うかと問うもので、”楽観主義”と”悲観主義”について論じるときに度々例として挙げられる。
私はこの言葉の、‘‘同じものを見ていても、人によって捉え方が違う’’ということをグラスに入ったワインに例えて表現しているところが好きだ。
たしかに、誰もが同じ対象を見て、同じことを感じているかというと、きっとそうではない。
日常的なコミュニケーションの中で、例えば天気の話などの会話は共通の経験と認識のもと成立するが、それを話す者同士それぞれが見ている世界は同じではないのだろう、と想像する。
最近は、そんな表層と深層のレイヤーの構造について考え、表現することを試みている。
 
2023.6.6 今井恵

アーティストサイト：https://www.keiimai.com/