GALLERY MERROWでは4月24日から5月13日まで小津航on the Table」を開催。

カラヴァッジョの《果物籠》を見ながらクリーム色の紙に水彩絵具でドローイングを描く。
「今にも落ちそうなカゴには色とりどりの果物がそえられて虫に食われた葉や枯れた葉は、この世の虚しさを表している」《果物籠》は大体このように評されて、静物画というジャンルを作った最初の一枚とも言われている。
しかし、同時に記録メディアとしての絵画の役割も大きいと思う。
400年ほど前のイタリアのローマかどこかの部屋にはテーブルがありその上には藤で編まれたカゴに果物が乗せられて正対している画家が絵を描いている。
宗教画が中心の西洋美術の中で眼前の事実を記録した。
そんなことを思いながら、他人の記録に自分の記録を加えたくなりサクランボを付け足した。
ドローイングのイメージを抱いて、夕方のアトリエのイーゼルにキャンバスを乗せて油絵具を筆につけて描き始める。
2023.4.3 小津航

GALLERY MERROWにカラヴァッジョの果物籠をモチーフにした新作作品2点と旧作を合わせて小津航の世界観を展開させる。

アーティストサイト：https://wataru-ozu.themedia.jp/

協力：MARUEIDO JAPAN